openFrameworksでiPadアプリを作る

openFrameworksは、なんだかごちゃごちゃっとしているけれど、使って楽しいフレームワークだ。Processingの思想を受け継ぎつつも、「もしProcessingがC++だったら、もっと色々なことが派手にできるぜ!」という奔放さを持ち合わせているような感じがする。

openFrameworksにはWindows版、Mac版、Linux版の他に、iPhone版が用意されている。iPhone版は少しビルド設定を変更すればiPadアプリの制作に利用することもできる。

上のビデオは、試しにopenFrameworksを利用して作ってみたiPadアプリの例だ。オーディオ入力レベルを算出し、それに比例した量で画面上のテキストを歪ませている。openFrameworksを使ってこんな感じのスケッチを作るのは非常に簡単だ。このスケッチのソースコードも60行程度しかない。

ごちゃっとしていて、ふわっとしていて、とにかく落ち着かない感じのフレームワークなのだけれど、映像や音を扱うための道具が一通り用意されているというのは、なかなか心強いことだ。実験的なプログラムの制作を行うには悪くない環境だと思う。特にモバイル性が必要とされる場面では、openFrameworksとiPhone/iPadの組みわせは即席の強力な道具になりうる。

最新のiPhone SDKで使うには

openFrameworksはiPhone版が用意されているものの、かなり古いものなので(iPhone SDK 2.0時代にリリースされたものらしい)、最新のiPhone SDK 4.0上で使用するには、いくつか注意すべき点がある。

まず、ベースSDKiPhone 2.0になってしまっているので、これを少なくともiPhone 3.2に変更しないとまともにビルドが出来ない。同時に、アーキテクチャやターゲットの設定も一通り整理しておく必要があるだろう。

次に、FreeImageライブラリがリンク時にエラーを出すという問題がある。この問題については公式フォーラム上で対処法を見つけることができる。特にこのスレッドでは、この問題への対処を済ませたFreeImageアーカイブが配布されている。これを使って解決するのが恐らく最も確実だ。