抽象化されたゲームたち

The Linear RPG

Sophie Houlden の The Linear RPG は,最低限の構成要素によって構築された RPG だ。プレイヤーは直線の上を進むか戻るかすることができる。直線上を移動していると,勝手に戦闘が発生したり,勝手に経験値を得たりする。直線の各所に配置されている点は「町」で,跨ぐことによって体力を回復することができる。ストーリーは背景で勝手に流れているので,読んだり読まなかったりすればいい。

このゲームは,いわゆる「一本道な RPG」の抽象的な表現とみることができる。非常にシンプルな内容であるにもかかわらず,それなりの達成感を得ることができるとの意見も存在する。

Progress Quest

Eric Fredricksen の Progress Quest は,プレイヤーのステータス情報のみによって構成された RPG だ。プレイヤーはキャラクター作成を行ったら,あとは放置しておくだけでゲームは進行する。ゲーム内のキャラクターは,勝手に戦闘を行ったり,勝手にクエストを消化したりして,勝手に成長を続けていく。プレイヤーの操作する要素がまったく存在しないため,「ゼロプレイヤーゲーム」とも呼ばれたりする。

このゲームは,「ただひたすら時間をかけてキャラを育てたりアイテムを集めたりすることが主体の RPG」の抽象的な表現とみることができる。まったくインタラクティブな要素が無いにもかかわらず,それなりの達成感を得ることができるとの意見も存在する。