レコードからライブへと変化する音楽産業

Times Labs Blog - Do music artists fare better in a world with illegal file-sharing?

Times Labs による,イギリスの音楽産業における収益比率の変化のまとめ。上のグラフを簡単に説明すると,赤い下降している線が「レコードの売り上げによってレーベルにもたらされる収益」を表しており,緑の上昇している線が「ライブチケットの売り上げによってアーティストにもたらされる収益」を表している。

下のような積み重ねのグラフで見ても面白い。

これらのグラフが主張していることは明らかだ――「レコードの売り上げは確かに年々減少している。しかし他方で,人々はライブにお金を注ぎ込むようになった。音楽産業全体で見ればむしろ収益は増加しており,その収益はレコード会社よりもアーティストやライブプロモーターへともたらされるようになりつつある。」

非常に興味深い主張だと思う。ただ, Times Labs はこのグラフを作成するのに,だいぶ大雑把な調査しか行うことができていない。特にライブによって得られる収益については,まとまった資料が得られなかったため,非常にざっくりとした概算によって値を弾き出している。

また,これはあくまでもイギリスにおける調査であって,同様の変化が他の地域(北米や日本)で起きているかどうかは,まったく分からない。

着目点としては鋭い記事だと思う。さらに詳しい調査と分析が行われることを期待したい。