Open Sound Control

(上の動画はOSCを使ったシステムの構築例。OSCと言えばこんな感じ、というイメージがある。)

Open Sound Control -- OSCは、音楽に関わる情報をやりとりするためのメッセージングの仕組みだ。MIDIの代替物、と言うと分かりやすいかもしれないけれど、これでまるっきりMIDIが不要になるぜ!というような野心的な物ではなく、MIDIには出来ない事を補うための存在、というのが実情に近いと思う。

MIDIを新しい仕組みで置き換えようという試みは、過去に何度が実施されている。ヤマハmLANなどはその代表格だけれど、まあ「そんなのもあったよね」という結果に終わっている。OSCを策定したメンバーも、実はその前にZIPIというプロトコルの策定に関わっているらしい。このプロトコルに至っては、僕は存在さえも知らなかった。

OSCはこれらの「MIDIの置き換えに失敗したものたち」と比較すると、オープンコミュニティならではのユルさに満ちているように思える。「メッセージングはこんな感じ」という外枠があるだけで、その中身の解釈については殆ど触れていないし、通信の仕組みにもノータッチだ。大抵の場合、ソケット(TCP,UDP)を使うことになっているけれど、実際のところは何で通信したって構わない。たぶん伝書鳩でもOKだ。

僕は実験音楽をやりたいわけではなくて、わりと普通の音楽をやりたいと考えているから、ドレミを奏でるにもあやふやな所のあるOSCは、ちょっと近づきがたい存在だった。それが「これはもしかしたら実用的かもしれない」と考えるようになったのは、LiveControlOSCulatorという二つのソフトウェアに触れたことがきっかけだった。