John Gaeta talks about Speed Racer

When cinema meets VR - John Gaeta talks about Speed Racer

VRMag によるジョン・ガータ (John Gaeta) へのインタビュー。映画「マトリックス」の VFX などで有名な人で,今回は新作「スピード・レーサー」の VFX について解説をしている。

スピード・レーサーVFX の面白いところとして, "Bubble" と呼ばれるパノラマ画像を多用していることがあげられる。たぶん "Bubble" と言うよりも「QuickTime VR 的なもの」と言った方が,通りがいいんじゃないかな。こんな感じのパノラマによって映画の背景が構成されている。これと前景をこんな感じで合成していくことで,ひとつのカットが作り出される。

通常,こういったパノラマは遠景に1枚だけ使うものなのだけれど,スピード・レーサーでは何層もの bubble を合成することによって,擬似的な奥行き感を表現している。リアル系のCGに使うのは難しいテクニックだけれど,この映画は「フォト・リアリズム」ならぬ「フォト・アニメ」を目指した作品なので,こういった特殊な演出も遠慮なく使うことができたんだろうね。

さらには「複数の bubble をカメラがまたぐ」なんて技も編み出していたりする。普通なら「QTVR でできるのはズームだけで,カメラの移動はできません」って話になると思うんだけどね。これをカメラから見た映像はこちら(の後半)。

こちらの格闘シーンなんかも面白い。ポスプロだけでカメラの動きをずいぶん補強できるものなのだなあと感心する。パーティクルの動きも気持ちいいね。

と,こんな感じで,映像素材たくさんで,とても面白い記事。こんなふうに映画の VFX や SFX のメイキング映像だけを集めたDVDとかないかな……。