タダ見ハッカーとの攻防

Revisiting Black Sunday Hack - Coding Horror

2001 年頃に DirecTV とハッキングコミュニティの間で繰り広げられた攻防に関してのおさらい。最近,この件に関する記事が Wired に掲載されたため,今更ながら掘り返してきている。

当時の DirecTV の視聴システムはハック耐性が弱く,スマートカードに簡単な改造を施すことによって「タダ見」することができていた。 DirecTV 側としてはこれを潰すべく,衛星放送信号にプログラムアップデートを載せて配信するのだけれど,ハッカー側もそれを無効化するテクニックを編み出して対抗する。

そこで DirecTV 側は,対ハックプログラムを 60 回もの細かなアップデートに分割して送り込むという手法をとった。それぞれは無意味に思われるアップデート(頻繁な更新による嫌がらせに見せかけた)が,裏ではハックカードを破壊するためのプログラムを着々と構築していたというわけ。

2ヶ月もの期間をかけて密かに送り込まれたプログラムは,スーパーボウルの1週間前に発動された。この対ハックプログラムにより約10万枚ものスマートカードが破壊されたと推定されている。そして,その破壊されたスマートカードの先頭8バイトには "GAMEOVER" の文字が刻まれていたという。