無音の不可能性

The Frontal Cortex: The Sound of Silence

全く光の無い暗闇というものは,頑張れば比較的容易に作り上げることができる。では,全く音の無い「本当の無音状態」というものは,作り上げることができるだろうか?

Radiolab の司会者 Jad Abumrad は,無響室の中での無音状態の体験を語っている。それによれば,無音状態に置かれた耳は,その「音の無い状態」を受け入れようとせず,幻聴とも何とも言えない「音」を感じ始めるのだという。

4′33″

無音のピアノ曲 4′33″ で知られる John Cage もまた,無音状態を体験するために無響室へと入っている。彼もやはり「音の無い状態」を体験することはできず,「高い音」と「低い音」の2つの音が聴こえたと述べている。この「高い音」は空気の分子が鼓膜を押すときの音であり,「低い音」は血液循環の音であるとの説明がある(真偽は分からない)。

John Cage は,こんな言葉を残している。

私が死ぬまで音は存在するだろう。そしてそれは,私の死後も存在し続ける。誰も音楽の未来について恐れる必要は無い。

おまけ

聴覚を失った人に生じた幻聴についての調査というものも存在する。