ビデオカメラを使ったフィードバックエフェクト

普段使っているカメラがD端子出力に対応していることに気付いた。さっそくカメラをD端子経由でテレビに繋いでみると,かなり良い画質で被写体をテレビに映し出してくれた。接写もばっちりだ。これはプレゼンで手元を拡大したいときなどに使えるな……

ふと,カメラをテレビの方に向けてみると,典型的なフィードバックエフェクトが発生した。「合わせ鏡」のような映像が生成される効果だ。カメラの特性が良い具合に働いているのか,なかなかいい味を出している。面白いので録画してBGMを当ててみた。それが上のビデオ。

映像ネタだけれど,映像よりもよっぽどBGMの方に手間がかかっている。むむむ。

バイスの特性によって生じる効果が面白い。フォーカスがブレることによって光が滲んで広がっていく。ホワイトバランス調整が入ることによって色合いや輝度がダイナミックに変化していく。カメラ側の設定を変更すると,これらの効果も微妙に異なったものになる。

表示装置(テレビ)側が高い輝度を持っているため,その表示自体が照明の効果を生み出していることにも注目したい。カメラとテレビの間に手をかざすと,手が照らし出されることにより陰影が生じる。そのシルエットは次々にフィードバックされ,複雑かつ柔らかな紋様を作り出していく。

レンズとフォトセンサーと表示装置と,カメラ内部のビデオ処理と,人の手の動きと,様々な要素が絡み合うことによって,予測不可能で複雑な動きが生まれる。コンセプトはローテクだけれど,多様な要素を含んだ面白い効果だと思う。