最終選考: 「お金あげるから辞めて」

Why Zappos Pays New Employees to Quit―And You Should Too

米 Zappos 社では,新人研修を受けている最中の新入社員に対して,こんな提案をする。

「今,辞めてくれたら特別に $1,000 (約10万円)あげるけど,辞めない?」

これは,新入社員の会社に対するコミットメントを試すための儀式。もし yes と言ったら,本当に $1,000 と研修期間分の給料をあげて辞めてもらう。

この程度の「エサ」で辞めてしまうというのは,会社と仕事に対するコミットメントの無さを表している。そのようなコミットメントの無い社員を雇ったとしても,会社にとって利益にならないし,どうせいずれ辞めてしまうだろう。だったら,今 $1,000 払ってでも辞めてもらった方がいい――それが Zappos 社の考え。いちおう,理に適っているよね。

でも,たかだか $1,000 を貰えるってだけで,せっかく入った会社をいきなり辞める人なんているんだろうか? ……と思うのだけれど,なんでも,コールセンターに配属予定の社員のうち,約1割はお金を貰って辞めていくんだとか。これが本当だとすると,かなり効果的なフィルターとしてはたらいていることになる。

Zappos 社はオンラインでの靴の販売で急成長した会社で,徹底した顧客主義を社是としている。社員は配属される部署に関係なく4週間のカスタマー・ロイヤルティ講習を受けることを義務付けられている。また全社的に Twitter が導入されていて,従業員が今何をしているのかを簡単に知ることができるようになっている。そんな独特の社風を持つ Zappos 社だからこそ,そこへ新たに加わろうという人の選択には注意深くならなきゃならない。それが「$1,000 あげる」の真意ということ。

(via KK Lifestream)