Dropboxで共同作業

ファイルホスティングサービスのDropboxは、今や僕にとって仕事に欠かせない道具となりつつある。PC間のファイル共有に利用するのはもちろん、ファイル配布用のストレージとして(M4TCホスティングにもDropboxを使っている)、データ納品時の中継地点として、等々、様々な用途に利用している。iPhone/iPadアプリの出来も良く、これらのデバイスとの連携にも便利だ。

これらの用途の他に、Dropboxにはもうひとつの面白い使い方がある。他のDropboxユーザーとの間のディレクトリ共有だ。

以前、シン石丸さんとM3向けにCDを制作したとき、このディレクトリ共有の機能を利用して共同作業を進めた。

やり方は簡単。まず適当なディレクトリを作成して、コンテキストメニューの"Share This Folder..."から共有の招待を送信する。

共有が有効になったら、そこにAbleton Liveのプロジェクトディレクトリを突っ込む。あとは、同時刻に編集を行わないように気をつけながら作業するだけ。特に変わった操作を挟む必要は無く、ただ単にいつもと同じく作業を進めるだけだ。

これはなかなか興味深い体験だった。特に手間をかけている感覚は無いのだけれど、なにげに共有されてしまっているというのが面白い。

例えばTwitterで「あの曲のこの辺りにギターを入れてみてください」とメッセージを送っておくと、いつの間にかギターが追加されている。まるで寝ている間に小人さんが仕事を仕上げてくれたような感覚だ。

これが従来のスタイルならば、「現状のオケを送りますので、ギターの素材を下さい」と言ってオケのミックスを渡し、素材が帰ってきたらそれを展開して、中身を確認しつつトラックに並べて加工して……などという風に、一回のやりとりを行うのにも複数の工程が必要とされた。

それと比較すると、このDropboxを使った連携は革新的なレベルとも言える。

「同じDAWを使っていて、しかもDropboxを使っている」という条件で仲間を探すことは、なかなか難しいかもしれない。でも、機会があればぜひ体験してみて欲しい。そこから何か新しい発想が得られるかもしれない。